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The Keep / Jennifer Egan [>E-H]

The Keep 構成を楽しむための本。作者のメッセージが何かとか、キャラクターがどうかとかを追求すると楽しくない。とはいってもそれだけではベストセラーにはならない。"keep"と言うのは日本語だと「天守」、城内に最後の砦として作られた中央の塔のことだ。下部に窓がなく、地下の多くに抜け道(これがRPGのダンジョン)、加えて拷問部屋などを持ち後代にはその独立性と堅牢性から貴人を収監する場所に使われていた。テーマはこのkeepである。
幼い頃従兄弟(養子だけど)Howardを洞窟に置き去りにして彼の人生を狂わせた、典型的アダルトチルドレン(ちょっとなつかしい)Danny。親の期待にこたえていたのは高校までで、その後は詐欺やドラッグがらみで捕まったりするろくでなし、仕事場で揉め事を起こして、長らく音信普通だったそのHowardの突然の誘いにのって欧州の(独逸の片田舎らしい)古城をホテルにする仕事にいやいやながらも参加する。
ところがこれは、刑務所の更正プログラムの1つ、Writing classの参加者Rayの書いた話だったのだ。ここでちょっともたつくのでここさえ越せばあとは楽しい。
Dannyの話、Rayの環境、クラスの先生であるHollyのことなどが少しずつ明らかになっていって、最後は肩透かしとそれをなだめるような癒しをふりかけてもらって終わる。Raymond Michael Dobbsのkeepは…。

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