The Shadow of the Wind / Carlos Ruiz Zafon [>T-Z]
おススメ言葉にちょっとだまされちゃったかな。
戦争直後の1945年。古本屋の一人息子Danielが10歳になった時、父親に連れられて秘密の古本屋大元締め店に連れて行かれる。そこで手に取った本は「彼のもの」になるという。
Danielが手に取ったのは「The Shadow of the Wind」、夢中になって読み終わったあと、作者について尋ねると不思議なことがわかった。誰かが作者Julian Caraxの全作品を徹底的に焼き尽くそうとしているのだ。出版当時はたいした売れ行きもなかったのに、稀少本となったこの本を有名な古書屋が(京極ではないが)買おうとする。彼の姪である美しい盲目の女性ClaraがJulian Caraxの別の作品を知っていることを聞いたDanielは彼女の元に通い始める…。なんてここまではファンタジーを髣髴とさせてよかったのだが、DanielのClaraへの憧れが、ピアノ教師と彼女との情事の目撃で終わるあたりから急に生臭くなってただのサスペンスになっていく。この後もいろいろなキャラクターが出てくるのだが、なんだかぜんぜん生かしきれていない。用もないキャラに筆をたくさん割いたかと思えば書き込んで欲しい人はなでるだけ。アイデアとかプロットとか面白いのに、もったいないなぁ。 Apr. 2008
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