Pillers of the Earth / Ken Follett [>E-H]
重たくて、手が痛くなっちゃった。
それはともかく、戦場シーンとか心の動きを伴わない本能的なシーンの描写はうまいのに、そうでないところはなんか薄っぺら。悪いやつは生まれつき悪くて一生変わらないし、後悔も反省もなし。
12世紀のイギリスが舞台なので、カソリックの行き詰まりと英国国教会の萌芽が見られるのだけど、主人公の一人であるPhilip君は昔読んだFeintech(スペルあってるかな)の主人公Nicholas君を髣髴とさせる大変Self-righteousなキャラクターである。もちろん「良い者」に区分けされているわけだが無知の悪行って感じ。特に女性に対してはひどいものである。
大地の柱というタイトルからも読めるように、大聖堂の建築(石造りなんですよねぇ)を中心に話がめぐっていくのだが、なんといっても宗教の強みは何でも「神のお望みのままに」ですんでしまうところだ。責任転嫁だよなぁ。そしていつだって政治に利用されていて「神のものは神に、カエサルのものはカエサルに」というイエス・キリストの言葉は体よく無視されている。
無実の罪の男が死刑になるシーンで始まり、悪行の限りを尽くした(こいつがまだ生きているのは本当に神の思し召しなのかとみんなが一度は思っている)男の処刑で終わる構成はよかった。 Mar. 2008
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