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The Invention of Curried Sausage / Uwe Timm [>T-Z]

The Invention of Curried Sausage訳(原書: は独語)の関係なのか、それとも元がそうなのか、ものすごく簡潔な文章で淡々と話しがつづられていく。
第2次世界大戦も終わり間近、敗色深いドイツ、ハンブルグが舞台。浮気な夫も出征し、2人の子供たちも成人しそれぞれ戦地へ。配給工場で働くLena Brucker(uの上に点2つ)のところへ若い男が転がり込んでくる…。
老人ホームで、美しい模様編みのセーターを編む盲目の彼女が、何日もかけて明かすのが作者が追いかけているドイツ人気のファーストフード、Currywurstの起源。作者はこれを自称?元祖のLenaのスタンドで幼い時に食べていたのだ。カレー粉炒めのソーセージケチャップがけのようなものらしい。実際そのことはどうでもいいのかもしれないし。
同じ敗戦国でも男女の基礎が違うのか、ドイツの女性はたくましくしたたかだ。贅沢禁止令の下、ダンスパーティなんてもってのほかなんだけど、日本の銃後の妻とはずいぶん違う。夫も恋人もみんな戦地に行ってしまっても、おとなしくしているわけじゃないのだ。自分のこと大差ない若い脱走兵をかばいつつ、ちゃんと自分も潤ってしまうのがすごい。それは決して彼女だけじゃない。そして彼がいなくなっても悲しみはすれどやっぱりたくましい。自分の人生は自分で生きるって感じだ。これじゃ日本の幼い男たちは太刀打ちできなくて当然かも…。
気になったのは、敗戦宣告が出る直前、何かのきっかけでユダヤ人収容所の悲惨な写真を見ることになったLenaの反応だ。彼女はこんな残酷なことが実際に起こっているとは全く知らなかったようだ。これは民衆操作のための合成だろうとまで言っている。当時の一般ドイツ市民がどの程度の情報をつかめたのかわからないが、ナチスのやりようを見ていればユダヤ人がどんな扱いを受けているのか十分想像できるような気がするのだが。 Oct. 2009

 

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