Earthly Joys [Gregory, Philippa]
Elizabeth Tudorの後期からJames Stewartに仕えたRobert Cecilの庭師だったというJohn Tradescant。Cecilに続いてGeorge Villars、King Charlesと3人の主人に仕えた彼の一生を追う話。
Cecilに仕えていたときの彼は、いい主人に恵まれたとはいえ地に足をつけたしっかりしたアドバイザーという感じだったので、階級を超えたもののわかった男の話と思ったのが大間違い。頭はよくても不具で見た目も悪いCecilの後に仕えたGeorgeはお小姓上がりがうなずける美形。おやおやと思っているうちになんと60に近い男の薔薇初体験シーンまで読まされてしまった、ぐえ。ここから一気に印象は転がり落ちて(まだ1/3なのに)残りがつらかった。
神→王→貴族→平民というのが社会、夫→妻、父親→子供というのが家族なのはキリスト教を基にして作られているのだけど、自分はキリスト教異端の最たるものの1つ、男色をしちゃっておきながら、それはどこかよそに忘れて、手前勝手な行動の言い訳にこの階級を持ち出してくる。気の毒なのは妻子である。
最初に持った印象があまりにひどく崩れ落ちてしまったため、彼の一生の終わりがあまりに平穏であったことに疲れを感じてしまった。 Apr. 2008
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