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Children of Hope / David Feintuch [>E-H]

Children of Hope (The Seafort Saga) Children of Hope
人種偏見がなんのかんのといいながら、新作は読んでしまうのです。節操のない私。しかし、今回これといった偏見は出てきません。アフリカと中国に関してクレームでもあったのか、国力はさほどないとはいえ連合国(Federation)としてちゃんと存在することがさりげなく書いてありましたね。スタッフの中にも中国名の人間がちゃんと存在していたりして。クレームついたとしか思えない(クス)。今回のニコラス君は副主人公。彼が何を考え何を思っているか彼自身の内面は語られません。前回の Galacticの破壊で父親を失ってしまったしょうもないティーネージャー、ランドルフ(ランディ)・カー君が汚い言葉を吐き続けつつがんばります。でもこの子ってここアメリカのスポイルドチルドレン(当然大多数)を彷彿とされるわがまま短絡根はいい少年なんですよね。
フェインタック氏はこれを纏めとしたかったのか、キリスト教に関して彼なりの決着をつけています。このシリーズ内で大きなウエイトを占めるキリスト教ですが、ニコラス君の出した結論は私の考えに近いようです。
それにしてもこのシリーズで出てくる女性にパーンシリーズに出てくるようなZarkyな人がいないのはなぜでしょう…。未来のミリタリーものでちゃんと男女同権で同じように仕事もしています(アーリーンさんはニコラス君より格闘技が強かったくらいだし)。でもインパクトないんだよなぁ。
今回登場したアーリーンの保存卵子&細胞から生まれたJaneyの代理母も本当は強い女性なのに、やっぱり目立たない…。
キリスト教とともにニコラス君の生涯に影響を与え続けたFishも実はすごい結末を迎えます。あのPhilipの最期の言葉も…。そしてラストでは「そーだそーだ!やれやれー!」とにやにや笑えます。Jun. 2001


 

Patriarch's Hope (A Seafort Novel)Patriarch's Hope
前作Voices of Hopeでも気になっていた事なのですが、登場人物のうち、まともな生活をおくっているのは全て白人種なんですよね。日本のなんかでも、登場人物全員日本人というスペースオペラは数ありますがそれは単に無知というか井の中の蛙系ですよね。
この作者の場合、設定で中国、日本、そしてアフリカ全土を壊滅させています。要するに現在アジアである程度力を持つ中国や日本、そして人口のほとんどが当然ながら黒人のアフリカを壊滅させる事によって、白人のみの社会を意図的に作っている訳です。
この設定はストーリーにはほとんど影響しませんが影響がないのにわざわざそういう歴史を作るというところに作者の有色人種に対する悪意を感じないではいられません。前作で取り上げられたNYのストリーター(Transpop)として、社会の下部にいる人たちも、中国系か、ラテン系です。作者はミシガン州に住む弁護士もしていたという人で、たぶんWASPだと思われます。ゲルマン至上主義だけでなく、色が白い人種は自分たちが一番と宣言しないと気が済まない人種なんだと言うことを邦訳を読む人たちが意識してくれたらいいと願ってやみません。そのため、今作者の住むアメリカでは数多くの人種に関する問題が起こっています。
ストーリー的には相変らずニコラス君は不幸に突っ込んで数少ない大事な人たちを失います。そしてまた、神というものの人間にとっての存在を考えさせられる話です。タイトルのパトリアーチは監督教会という意味もありますが、英英辞典だと家父長制度(そう言えば旧約聖書って長大なる家父長制の記録でもありますねぇ)の事でもあるそうです (それをなんであんな邦題にするかな)前作まではする側だったニコラス君ですが今回は複雑です。彼の常套句として「自分でベッドを作ったら、そこで寝るしかない」というのが使われますが、ニコラス君はそのベッドをつくらせたのはおまえだー寝心地が悪いのはお前のせいだーと神様に文句ばっかり言っているような気がします。ベッドを作ったのは神様じゃなくて君だよ、ニコラス君。
そして最後にはどうも光源氏-紫の上に走りそうです。
そうそう、クローン羊ドリー君の倫理問題が大きく取りざたされましたが、この時代、そんなものははるかに超越しているようです(笑)。Nov. 2000


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