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Angelology /Danielle Trussoni [>T-Z]

Angelology NY郊外の修道院に暮らすSister Evangeline、世界大戦頃の歴史美術史絵画関係研究者Verlaine。何の関係もなさそうな2人を出会わせたのは、Abigail Rockefellerの一通の手紙。
旧約聖書は事実であり、人の娘たちと契り数々の知識を伝えた監視役の天使たちはその罪ゆえに地中に永遠に繋がれた。生まれてきた子供たちはNephilim。天使の血を引いているくせに、いや引いているからこそ人間の感情を持たない彼らと、その支配を阻止しようとする人類の天使学者たち。
中世、ルネサンスを経て現代まで引き継がれている戦いはアメリカに場所を移す。

続編?嘘でしょ。というような終わり。ブルックリンブリッジに立つ姿はまさに絵として美しいが、そこにたどり着くまでの中盤のもたつきがもったいない。そして、これからどうなるんだ・・・Jul 2010


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The Rossetti Letter /Christi Phillips [>P-S]

The Rossetti Letter 海の都ヴェネツィア、衰退し始めた17世紀と現代が舞台である。最近の流行なのか、現代の誰かが当時のある人物を追う(もしくは巻き込まれる)パターン、現代はClaire、歴史学で博士号をとり、コロンビアで教職を得た前夫に対抗しできればハーバードで教えたいnerd。博士論文に選んだのは17世紀のヴェネツィアで起こったとされる謎多きSpanish conspirancy。Claireが追いかけるのは陰謀暴露の発端となった投書を書いたといわれる高級娼婦Rossettiである。
数章ずつ現代と17世紀が交互に現れる。話が進んでいくうちに続き物の紙芝居のようにいいところで終わるため、時代が変わるところで少しお休みが必要。そのたびに感じる脱力感が少しもったいない。17世紀は怒涛の恋と凪ぎの愛、現代は殻から踏み出す一歩。それぞれ面白く読める。現代でヘンに誰かとくっつけずに終わったところよかった。変身願望のティーネージャーGwendolyn(普段はGwenと呼ばれているけどフルネームかっこいい)との交流も定型なんだけどなんだかよかった。
海の都の物語で知ったヴェネツィアにこの陰謀はあまりしっくりこないし(本にはでてこない)、陰謀自体は既に衰退期に入っていたスペインにはあまり意味がなく、個人の野望達成の手段でしかなかったようだし、ヴェネツィア史を勉強している人にははてなマークがたくさんつきそうな設定ではある。フィクションとして楽しんだほうがいい。
これがデビュー作である。自作も時間をかけてよいものを書いて欲しい。 May 2010

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The Glass Palace /Ghosh, Amitav [>E-H]

The Glass Palace: A Novel アジアのことはほとんど知らない。要勉強。いまはミャンマーと呼ばれて独裁政権に貧困の国という印象しか浮かばないビルマだが、その昔は識字率も、アジアの国々の中では珍しく女性の自由度も高い国だったようだ。
豊かな国のお定まりの問題、貧しい国からの労働者移民。移民法も確立していなかった当時、インドからの出稼ぎ部隊は少しずつ国を侵食していく。主人公の一人Rajkumarもそんなインド難民の子供だった。
王政(だったんだね~)崩壊から始まるこの話は、結構期待させる滑り出しなのだが、舞台が王族の幽閉先であるインドに移るあたりから少しずつ焦点がボケはじめる。いきなり何年も時が経ったり、脇役で始まった人が思いっきり主人公扱いになっていたり、あれ?あれ?と思っているうちに世代とともにどんどん主人公が数も多くなり、視点が定まらず、滑り出しの主人公であるRajkumar、Dollyが最初の印象とはずいぶん違う人格に書かれていたりしてちぐはぐで、なんとラストはなんでこんなとんでもないことになるのか全然理解できないエピソードで突然終わる。長期連載でつじつまが合わなくなり人気がなくなって突然打ち切られたような感じで、冒頭の期待感はなんだったの、という読後感だ。May. 2010

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あなたに逢えてよかった /新堂冬樹 [>あ-な]

あなたに逢えてよかった (角川文庫) 純愛三部作最終巻、に惹かれたわけではなく、紅茶と認知症を扱う作業療法士が記憶を失くしていくという題材に興味をもって買ってしまって・・・あああああ大失敗。
この人は本当にプロの作家なのだろうかと疑ってしまったほどの文章の稚拙さ。題材としてはかなりいいものが書けると思うのだが、大根役者、もとい大根作家。くだらない言い回しの繰り返し、変な漢字の使い方、受けを狙っているのだろうが、ただ不適切なだけの比喩、間違った言葉遣い。挙げればキリがない。
恋人が稀な病気にかかったときに、それについて勉強をしない。理想論とは違う生の姿を描きたかったのかもしれないがあまりにも馬鹿すぎる。太陽のように人に明るさを与え、って全くキャラクターに説得力がありませんよ。
あまりの下手さに初めて作家についてWiki検索をかけたのだが、金銭ブローカーとしてかなり成功なさっているよう、そちらの世界を題材にした小説にはかなり人気があるようだ。技術もないのに知らない世界は書かないほうがいいことの証明か、唯一読みやすく、生き生きしているのは僅かの数行、雇われ店長に昇格した主人公が紅茶専門店の経営に頭を悩ませるところだ。的確で無駄のない文章表現がされているのはまさにそこだけである。 Apr. 2010

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Shades of Earl Grey [Childs, Laura]

Shades of Earl Grey (A Tea Shop Mystery) 警察ってこんなに信用なくっていいの? 現場保全って知ってる? と初っ端からはてなマークがポンポン跳ね回る。
Indigo Tea Shopがあるここ、Charlestonはさすが歴史の町(とはいってもいまだ百年単位ですが)だけあって、アンティークや家宝の宝石もざくざく。Heritage Societyの活動も活発だ。話題になるのは、宝石の大きさだけでなく、その由来やどんな家に伝わってきたのかとかそんなこと。今回の意外な発見は、そんな財産をなぜ寄付するのか…実は、税金対策だったんですねぇ。Asset(資産)として課税対象になるほどの名のある宝石などを持っていると、当然課税額も高くなるわけです。で、前出のHeritage Societyなどに寄付すると、なんと、減税してくれちゃうわけです。社会貢献と勘定されるわけですね。あまりに無縁な世界なので、わかりませんでした。そういえば、ロックフェラーなども自邸(宅じゃなくて邸ね)を一部一般公開しています。お金持ちは違うなぁと思っていたけど、これも節税だったんですね。入場料も多少頂いたりはするようですが、こうしておくと、修理や保持も団体経費として落とせるし・・・うーん。
さて、事件はこういった宝石類をねらう泥棒さんの話ですが、ここでまた新しい発見。すばしこい犯人逮捕には、忠実でお利口な犬と、瞬間接着剤を忘れずに。 Apr. 2010

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CLANNAD [映画・DVD]

CLANNAD Blu-ray Box 古河家に遺伝している触覚さえ気にならなくなれば、絵はきれいだし、作りも丁寧。ストーリーもよく練ってある。
桜並木の下で出会う古河渚と、岡崎朋也。渚は病欠で一年ダブり、朋也はスポーツ入学後肩を痛めてやさぐれた生活を送っている。居場所がないと感じている2人がお互いや、巻き込まれていく友人たちの「世話」をしているうちに友情が生まれ、愛情が生まれ・・・というストーリーと、いまだ伏線のままの、渚が演劇部を作るきっかけにもなる別世界ストーリー。
親が出てくる設定は最近のアニメでは本当に珍しいのだが、家庭的にはあまり恵まれていない朋也も温かく迎える渚の両親。近所の人や関わってくる人たちがよく作りこまれているのでしっかりと裏打ちされた作品となっている。あえて難を言えばもともとは恋愛アクションゲームを下敷きに作られたアニメだからかどうかはわからないが、女の子の体の線を妙に強調しすぎ。R指定ものと普通のアニメは全くそういう点が違う時代から見ている(年がわかるねww)だけに、ちょっと気になる。男の子達がコッドピース強調で描かれていたら、きっと違和感があるだろうに。絵自体もとても綺麗だし、デッサンが狂っているような粗雑な作りもされていない。そんなことをしなくても十分楽しめる力を持っているだけに残念ではある。 Apr. 2010

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CLANNAD After Story [映画・DVD]

CLANNAD AFTER STORY 7 (通常版) [DVD] 2期だが、質は落ちていない。儲け主義だけに走らないのはいいことだ。
大変残念なのは、本編のラストに同意できなかったことだ。もともと町の情景がよく書かれている作品だったので、町に意志があるというのは頷ける。パラレルワールドとのつながりも決して突飛ではない。幸せのあるところに光が見えることがあるというのはとてもいい伝説だと思う。でも、5年は長い。多分、娘の汐ちゃんに意思を持たせたかったのだとは思うが、その間、祖母早苗さんに忘れ形見を預けっぱなし。最初から頑張ろうともせず、避けまくり、というのは・・・。これを見るのは多分男の子が多いだろうし、自分の痛みにおぼれているだけの彼をみんな温かく見守っている、そんな姿が是とされると思われるのはいやだ。気づいて彼はもとがいい奴なので、反省もするし、早苗さんにさらに頭が上がらなくなり、その彼女を支える夫秋生もおいしいところをもっていくのだが、個人的には、新生児、乳児の世話の大変さ、娘の中に見える渚の面影がもたらす痛み、そういうものに疲れ、傷つく彼をまわりに支えてもらうという設定のほうがよかった。格好は悪いかもしれないけどね。逃げてもいい、わけないでしょう。
それに、死者蘇り。界パラレルでやりたい放題のCLAMPでさえ、それは禁忌である。対象視聴者を考えれば、いくらタイムパラドックス使っても、それはだめでしょう。
個人的には町に意志があるのなら、住む人々たちや時間に影響されるものであるとしたら、それは決して「選ばれた」個人のためだけには働かないと思うのだ。具合が悪くなるのはもっと不特定多数であるはずだし、奇跡もそんなに個人限定では起こらない。

ラストは不同意だけれども、近年まれにみる質の高い作品だった。After Storyでは姿態強調ないしね(ほんと、いい作品にそんなの必要ないんだよねぇ)。まったく、「情けは人のためならず」。1期でも人の世話を焼いてばかりに見える朋也と渚だけど、実はそうすることで、自分の居場所もできていく。人は1人では生きられないというけれど、実は1人いなくったって実用的には特に困らない。私がいなくてもみんなそれぞれやっていくだろう。だから、少しずつ自分のできることをして自分の居場所を作っていくんだと思う。
でも、日本のDVDは本当に高い。こっち版と桁が違う高さ。海賊版が出回る理由の1つなんじゃないか? Apr.2010


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The Quilter's Legacy [Chiaverini, Jennifer]

The Quilter's Legacy: An Elm Creek Quilts Novel (Elm Creek Quilts Novels) 前回のRunaway Quiltから引き続き、Bergstroms家の話である。今回は一時代下がってSilviaの母Eleanorについて語られる。体が弱く、優しい上品なLadyとしてSilviaに覚えられているEleanor。NYのハイソなLockwood家に生まれた彼女は、たしかに幼い頃から心臓が弱く、長生きも結婚も無理と言われて育ったきた。しかし精神は活発、なにかとかばってはいろいろなことをさせてくれるnannyのMiss Langleyに心酔している。
子供は若かった頃の親を知らない。知っているのはある程度完成した人格(良くも悪くも)で、悪戯をして駆け回わり、誰かに胸をときめかせ、失恋に泣き、友人と笑い転げる親なんて多分想像することはないんだろう。
実は私はnosyな子供だったので、親の若いときのアルバムを見るのが好きだった。ちょこっと走り書きしてあるメモなどから、今見ては想像もできない、恋愛真っ最中、新婚ほやほやの両親を想像した。今でも、ロミオとシンデレラの「大人はもう寝る時間」なんて聞いて、子供だなぁとおかしくなったりする。
閑話休題。Silviaは亡姉Claudiaが売り払って散逸してしまった母のキルトを探す。それぞれのキルトに絡めて、SilviaのEleanorの一生が語られる。そこにSilviaとAndrewとの結婚に反対する彼の子供たちがからんで、大人になってからの親子のあるべき姿を考えさせられる。深い話だった。
Silviaが許せなかった姉Claudiaは、実はどんな人だったのかいつか語られるのだろうか。 Apr.2010


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Chocolate Chip Cookie Murder [Fluke, Joanne]

Chocolate Chip Cookie Murder (Hannah Swenson Mysteries) ミステリーよりキャラクターを楽しむ本。だから小さな町なのに殺人事件が多くても気にしちゃいけない。
主人公は父が亡くなり、その後の整理や残された母の支えなどのため大学(院かな?)を中退し生まれ育ったミネソタ州の小さな町に戻ってクッキーとコーヒーの店を営むHannah。別に家業を継いだわけではないのだ。
ミステリーは容疑者消去法で特に目新しいことはない。捜査方法も素人がそこまでやっていいのかと言うくらいだし、ミセスマーフィーシリーズやクッキングママの事件簿と同類。それよりも早々に関係改善してしまった美人でお洒落だけど家事一般全くだめな姉のAndreaや、Hannahをとにかく町の誰かと結婚させてしまいたい母親Deloresなど彼女を囲むキャラクターたちを楽しむほうがいい。同居の雄猫Moisheもいい味である。残念なのはクッキーのレシピがどれもそれほど美味しそうでないこと。バターはともかくとにかく砂糖の量が半端じゃない。 Apr. 2010

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まんまこと [畠中恵]

まんまこと (文春文庫)若様ものが好きなのかな? これは町名主の息子が主人公。16歳(江戸時代なら一応大人?)までまじめ一方だった麻之助、今では放蕩息子で名を売っている…わりにたまにする裁定は人情味があり、喧嘩も場慣れした強さがあって親は心配していても真面目一方の時よりも読み手にはずっと魅力がある。
女好きの悪友、清十郎やお堅い同心見習い吉五郎など友にも恵まれていて、江戸を舞台にした青春物語である。現代物のように青臭かったり押し付けがましかったりするところが時代物の制約にうまくカバーされていて、とても楽しく読めた。 Mar. 2010

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