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The Swan Thieves / Elizabeth Kostova [>I-L]

The Swan Thieves: A NovelD.C.の精神科医Dr. Andrew Marlowは「石にすら話をさせられる」ことで有名。そんな彼の元に同僚から送り込まれてきた画家Robert Oliverは、National Gallery of Artの絵にナイフで切りかかり取り押さえられたのだ。そして「勝手に誰とでも話せばいい、Maryとだって」と言ったきり口を閉ざした。投薬などの治療は素直に受けるRobertだが、いかんせん口は開かない。仕方なくMarlowはポリシーを枉げ、最初の一言を拡大解釈することにして、元妻を初めとして周りの人間に話を聞き始める。

デビュー作「The Historian」がすごく面白かったので、期待して読み始めた。しかし、同じくらい厚いこの本の3分の2はRobertの情事の相手の独白。そして100年ほど前の或る男女の秘するしかなかった恋愛の経緯。すぐに読める筋書きなので、確認にしては退屈すぎる長い中盤。精神科医と言うのは1つの話に700くらい余計なことも聞かないといけない大変な仕事だと妙に感心。Historianのように、世界の歴史の裏に隠れた血脈とか知らずに近づいて巻き込まれる事件とかワクワクするような要素はなく、100章以降のクライマックスにたどり着く頃には話はわかっているし疲れているしで醍醐味みたいなものがもう感じられなくなっていた。ああ残念。しょうもない奴が我侭放題してそれでも良き人生を歩んじゃうから余計憤怒である。 Jan.2010


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