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楽園 上・下 [宮部みゆき]

楽園〈上〉楽園 下流石宮部みゆきである。模倣犯(なぜか中居君の顔が浮かぶ)の登場人物の1人である前畑茂子のその後を時間軸にした話である。超常現象を使うのが好きだしうまい作者だが、それよりすごいのは断章の使い方である。
上下巻になっているほどの長編、上巻は不明な事項が多く、語りがうまい作者でもこれが新人だったらたぶん投げ出される可能性も高いくらいなのだが、そこはベテラン大作家の余裕と言う感じで、きっとすごい展開が来るに違いないとがんばって読む気にさせる。そしてやはりすごいのはその期待を裏切らないどころか、期待以上の展開を後半持ってくるところだ。収束感がすごかった。
ところどころに作者の人生に対する基本姿勢のようなものが現れるのだが、古武士の様と称される或る女性に「日本人はわが襟をまず正す民族だった」と言わせている。私の周りのあいつやコイツやそいつにはぜひそのくだりを読んでもらいたい。あ、私もか? Feb.2010

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